ファミラボ高校生&大学生(毎週月曜日の夜更新)

高校生の進路支援と大学生の就活支援のページです

勉強時間

今春は大学受験をした高3生は教室でたったひとりでした。3年ちょっと前、2019年の4月に教室にやってきて卒業したばかりの中3生をご家族全員で教室に来ていただいて、説得を試み、応じてくれたのがひとりだけだったからです。
今だから言いますが、高3になってからは、駿台、河合塾の講義も取りに行ってもよいと何度も話をしています。医学部志望でしたので、医学部志願者が集まる駿台市ヶ谷校舎、河合塾市ヶ谷校舎の双方へ私が出向いて先生方と相談もしています。本人には予備校の資料も渡しましたが、結果的に行きませんでした。
理由はいろいろありますが、合格には受験勉強や方法よりも「自分と向き合うこと」が一番大切なことです。今の自分と合格する自分を比較し、今、どうすべきかを真剣に心の底から考え、相談もし、試行錯誤し、改良を続けていく必要があります。
高校受験の時の勉強時間の目安は平日4時間、休日8時間というのを基本にして話してきていますが、大学受験はそれ以上の時間を要求します。例えば休日は10時間。しかし、本当に10時間の勉強が必要なのかどうかは、本人のその時点の得点力と消化した分野、そして目標のレベルから判断する必要があります。5時間でよいかもしれませんし、起きている時間は全て勉強時間にしないといけないかもしれません。
一人ひとり時間も中身も方法も全てちがっていいのです。
これからも勉強の方法をいろいろ話しますが、自分に必要かどうかで選択することが必要です。一番よくないのは、言われたことをそのまま実行することです。
冒頭の大学受検生は駿台、河合塾のことも熟知した上で利用しない判断を全て自分でしています。私が駿台と河合塾からいただいた資料をどさっと渡して、困惑している部分もありましたが、何としても現役で国立大学医学部医学科に合格することをやりとげるという観点から選択肢を提供しました。
今年の高3生にも必要な場合は同様の対応をしますし、必要ないと確信できる場合は黙々と学んでいただきます。
大学に合格するために一番必要なのは、自学自習です。言うのは簡単ですが、正しく効果があるように取り組むのはとてもとても難しいものです。予備校で講義形式の授業を受けるだけでは合格はしません。逆に黙々と自学自習するだけでもでめです。どこまで真剣に問題に向き合うかが大切で、正しく考えることができているかが最も影響するように思います。
なおかつやっかいなのは、たいていすぐに学力は伸びないということです。それどころかまったく伸びる気配のない低迷期があったりします。それでもやり続けるとある時から急に急上昇をはじめます。
今春の大学受験生の場合は、確か12月だったと思いますが、東工大のコーチがレッスン終了後に私にこう言ってきました。
「数学が抜かれてしまいました」
東工大は特殊な数学の問題に取り組まないと合格できず、ものすごく数学には自信を持っていたコーチでしたが、スピードも解答力も抜かれたそうです。うれしそうな表情でコーチが話していたのが印象に残っています。数学が伸びずつらい時期が続いていましたが、確かにその頃から手応えが見え始めました。高3生がひとりでしたので、ライバルはコーチという図式で取り組んでいました。

共通テストで数学の難易度が飛躍的に高まりましたが、何ら気にせずにどうどうと渡り合えるようになり、見事に合格しましたが、勝因は自学自習力の質を高めたからです。
学校の授業でも教わるという意識をなくして取り組んで欲しいと思います。