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小論文の準備には時間と根気が必要です

小論文は努力を文章という目に見える形に変える学問です。
大学入試の小論文には、大きく分けると簡単にテーマだけが提示される「テーマ型」、課題文を読ませる「課題文型」、資料をもとに論述する「データ型」などがあります。

小論文の大事なポイントをあげていきます。

●自分の主張を明確にする
共生社会の実現について論じなさい。
持続可能な開発の実現について論じなさい。
こういったテーマで課題が出された場合、本質的に求められているのは共生社会や持続可能な開発について説明するのではなく、「自分はどう考えるのか」という結論です。一般的にこう言われているではなく、自分の主張が言えるかです。

●意見に根拠を添える
小論文では客観性も見られます。自分の主張を示しても、事実に基づいて書き、採点者が納得できる理由をしっかり述べることが大切です。適切な事例や体験を挙げながら、自分も当事者だという立場から議論を展開しているかは大事です。個性的な意見でも説得力がなければ評価されません。

●設問や課題の理解を示す
設問に対してきちんと答えているかどうかは重要な評価ポイントです。
小論文としてはまとまりのあるように見えていても、設問や課題で求められていることに答えていないケースがよくあります。

●論理的に構成する
「序論」→「本論」→「結論」という流れで組み立てて書くといった構成がしっかりしているかです。構成がしっかりしていれば、論理に破綻がなくなり、首尾一貫した議論を展開することができます。

以上が小論文の基礎基本です。書くということについては、課題を理解し、主張を作り、構成を考え、書くの流れで時間制限の中で書き切るように練習をすればよいのですが、一番やっかいなのは実は一般教養と知識です。
文章を読み書きするために必要な一般的教養があることは大前提ですが、その上で志望系統の分野に関わる知識が必要です。
そこで、知識をインプットする書籍が必要となります。
教室ですすめている書籍は下記の2冊です。

ワークで覚える 小論文頻出テーマ 四訂版 ジャンル別キーワード91

文藝春秋オピニオン2022年の論点100

並行して日常的なインプットも必要です。
新聞、雑誌、新書、書籍、ネットなどからおっ!という意見や主張をこまめに拾うことが必要です。この部分が、他のライバルとの差を生み出す、ちょっとした自分なりの味付けにつながり、合格につながります。大事な思いつく力の土台にもなります。

ゴールデンウイークで高校3年生は志望校を再度考えたと思うのですが、小論文と向き合う必要がある場合は、過去問と向き合ってください。
大学別の傾向分析を自分でおこなうところがスタートです。
自分の志望大学の小論文に取り組むためには、どんな力が必要になるか書き出して見てください。
志望大学の小論文で勝つためには、この3つの力が必要だということを語ってみてください。
2021年12月に教室で実施した高校生向けセミナーであげた名古屋大学と九州大学を例として紹介します。2大学ともに教室の高校生で来春に志望することはないだろうという理由で選んでいます。

名古屋大学
①資料の要点を正確にすばやく読み取る力
②短時間で800字の小論文を書く力
③法学や現代社会の諸問題についての知識力

九州大
①多くの資料から必要な情報を抽出し、整理する力
③論理的で説得力のある文章を構成する力
②現代社会の諸問題についての知識力

分析の結果は同じ大学でも人によって異なるものですが、それでいいのです。自分で分析することが大切です。自分事として入試を考えることが最も大事な対策の第一歩です。
この後は練習こそが最大の対策です。段階的に小論文の課題に取り組み、それを第三者の視点で真っ赤にしてもらうようにしてください。教室の高3生で小論文が必要な対象者には毎週、実施していきます。